
小石川の散策でよく通る古本屋さんでは、開店準備のために毎朝1人のおじいさんが店先に本を並べる。
今朝通ったときには、お店に向かって右側の本達はもう店先に出ていて、おじいさんはせっせと左側の本を出しているところだった。既に出した右側の本の上には、淡々と左側の本を並べるおじいさんを横目に、本と本の間に猫がころがっていた。そ

いつも同じ所から同じように出しているのではないかと思わせるゆっくりだけど、スムーズな動作を見ていたら、何十年もここで毎日同じ作業をして1日を過ごしているんだろうなぁ、と思えた。ちょっと大袈裟だけど、このおじいさんの小石川の街にしみ込んだ人生が感じられるような気がした。
そして夜になると、おじいさんはまた慣れた手順で、ゆっくりと本をしまっていく。